一般的な繁殖方法【産卵編】

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【繁殖のメリット】稚魚を育てられる特権

まずは稚魚のカワイイ姿をご覧ください。

https://twitter.com/BettanumaKun/status/1579673503036411904

こんなカワイ子ちゃんたちを眺めることができて、色がつくまでの成長過程も楽しめる!繁殖に挑戦した方の特権です♪

ベタの繁殖は「難易度が高く成魚まで育てるのが難しい」という声が多くありますが大丈夫です!しっかりとした準備と心構えで挑めば初心者でも十分に挑戦できます。

※本記事ではネットや書籍に書かれている”一般的な繁殖方法”をを整理してご紹介します。環境や個体によってベストな方法は異なりますので、まず本記事で基本を押さえていただき、そのあと「私の繁殖方法(準備中)」をご覧いただけると、コツや裏技的な部分を理解しやすいかと思います。

簡単”ではない”と言われる理由

繁殖をすると当然数が増えます。責任をもって飼育するためにもどのようなハードルがあるのかは理解しておきましょう。

独特な繁殖方法

ベタの繁殖方法はかなり特殊です。まず「お見合い」と呼ばれるオスとメスの顔合わせから始まり、オスの泡巣づくり→繁殖の舞→産卵→オスが子育てといった順で進みます。各ステップで超えるべき壁があるのは事実で、闇雲にやってもうまくいかないことが多いでしょう。

また環境や個体によって繁殖時の行動に差がありすぎるため手探りが絶対必須です。

命をかけた繁殖

正常な繁殖行動としてオスはメスを攻撃するような行動をとることが多く、繁殖がうまくいってもメスがボロボロになってしまうこともあります。これは100%回避することは不可能なリスクだと思います。まさに命を削った行動であり神秘的とも言えるでしょう。産卵に至ったときはとびきりの感動に包まれます。

生まれてくる稚魚の飼育

ベタは一度の産卵で300個ほどの卵を産むことがあります。産卵数や有精卵の割合は毎回異なるので明確に何匹生まれるかはお答えできませんが経験上80~250匹ほどの稚魚が孵化する場合が多いと感じています。

産まれたての稚魚はとても繊細で水質の悪化や水温の変化、エサ不足や…まさかのエサの食べ過ぎでも簡単に☆になってしまいます。失敗はつきものですが少しでも生存数を増やす努力・工夫は飼育者のつとめではないでしょうか。

また、ベタは成長すると攻撃行動をとるようになりますので、特にオスは単独飼育にする必要が出てきます。かなりの数を管理することになりますので、責任をもって飼育する覚悟を持つか、引き取り先の目途を付けておきましょう。

「失敗して学ぶ」がベタ繁殖の初歩だと思います。私もいくつか失敗しました。できるだけ“失敗を少なくするため”に本記事を活用してくださいね。

繁殖の手順(産卵まで)

繁殖方法は人それぞれで決まったものはありません。ここでは、ネットや書籍を見ていてこれがオーソドックスかなと思ったものをいくつかとりあげて紹介します。ざっくりとした流れは「繁殖水槽の準備→お見合い(→泡巣完成)→メス移動→産卵」の順です。

STEP
繁殖水槽の準備
絶対に必要なモノ
  • 水槽(10L以上の容量)
  • カルキ抜きした水
  • メス隔離用の容器/仕切り

水槽は10L以上のものが良く、できれば30L(45cm水槽)ほどのものを用意します。ガラス水槽やプラスチックケースを使用する方が多いようですが、中には発泡スチロールやコンテナボックス、バケツのようなものでやっている方もいます(後で理由を説明します)。

水槽を用意したら水を入れます。水深は15cm程度が良い(深くても20cmほど)です。これは産卵後に底に落ちた卵や稚魚をオスベタが運びやすくする効果があります。水面と底を往復するオスにとっては結構な労力ですからね…。

ほぼ必須なもの
  • ヒーター
  • マジックリーフ
  • 水面に浮くもの(水草/マジックリーフ/発泡スチロールなど)

ヒーターを入れて27~28℃に設定しておくとより活発に繁殖行動をとるようになるようです。マジックリーフはブラックウォーターをつくり出し、より自然に近い水にすることができます。マジックリーフを入れると泡巣をつくり出したなんてことも非常に多いです。

水面には泡巣をつくる起点として水草(ホテイ草やアマゾンフロッグビットなど※無農薬状態)やマジックリーフ、発泡スチロールなどを浮かべておくと良いです。いずれも5cm平方程度の大きさで十分です。

※ここまで準備ができてから繁殖水槽にオスベタを投入します。

繁殖に向いているオスベタとは?

オスはメスと違って成熟度を外見で判断するのが難しいです。普段から泡巣をつくっていれば繁殖に適している可能性が高いと言えるでしょう。

あると良いもの

メスベタの隠れ家

メスはオスからつつかれたり追い回されたりする場合が多く、衰弱してしまうことも多いです。土管などを設置して避難場所をつくってあげると少しは負担を減らせるはずです。

STEP
お見合い

ベタの繁殖は独特でオスとメスの顔合わせ「お見合い」を行う必要があります。いきなりメスをオスのもとに放してしまうと相性が悪い場合、ただただメスが攻撃されて最悪の場合、衰弱死してしまうこともあります。相性の見極めと繁殖行動の促進のために行うのが「お見合い」です。

メスの準備

成熟したメスは白っぽい輸卵管が腹部(腹びれの間辺り)に見られるようになります。これは一目瞭然なのでわかりやすいです。

お見合いのやり方

メスを小さめの容器にいれて容器ごとオスの水槽にいれます。オスとメスがお互いに見える状態でオスが直接攻撃できない状態であれば問題ないので、仕切り板で区切るなどでも問題ありません。

お見合い中は通常通りエサを与えて構いません。

STEP
メスをオス水槽へ

お見合いの結果、問題がなさそうであればメスをオスの水槽内に放ちます。次のポイントをいくつかクリアしていればメスを放ってみるタイミングだと思います。

観察のポイント
  • オスがフレアリングでメスに興味を示している
  • オスが泡巣とメスの間を往復して泡巣に誘導しようとしている←この行動がみられるとかなり有望だと思います。
  • メスに婚姻線が発現…カラフルなベタでは確認しにくい個体が多いです。
  • メスがオスの誘導についていこうとしている(オスに反応して向きを変える程度ではなくついていこうと泳ぎ続ける感じ)

あくまで目安ですので、ポイントをクリアしていても失敗することもありますし、クリアしてないけどやってみたらうまくいったということも十分にあり得ます。より実践的なやり方が知りたい方は本記事を最後までお読みいただき、その後「”ベタ沼くん流”繁殖方法【産卵編】(準備中)」を参考にしてみてください(最後に記事リンクを貼ります(準備中))。

メスを放った後はどうしたらよいか

産卵までの期間

産卵までの時間は数分~数日であり、長い場合は1週間以上になることもありますのでずっと見ているわけにはいきません。気長に待つ必要がある一方、ペアの相性やメスの衰弱具合は把握しておく必要があります。

ペアの相性

ペアの相性はメスを放ってすぐに観察しましょう。オスは攻撃行動をとりますが、メスのお腹ばかりをつついて追い払うような攻撃の仕方は相性が悪いかメスが産卵の準備ができていない可能性が高いそうです。

また、メスは攻撃されるのがいやで気配を消すようにおとなしくなることが多いですが、オスも興味がないとそっぽを向くことがあります。どちらかが明らかに興味のない場合はペアが成立しないことが多いようです。

繁殖に集中してもらう

ベタは人の目があると繁殖に集中できないことが多いです。ペアでいい感じの時に覗いてしまうと「エサくれるのかな~」と繁殖行動をやめて寄ってきてしまうことも…。また、ベタは暗いところが落ち着くとも言います。

透明な水槽の場合は新聞紙などの不透明なもので覆って普段は人の姿が見えないようにすると良いです。一部にのぞき穴を設けている方もいます。こういった手間を省くためにも不透明なケース(発泡スチロールなど)もおすすめの飼育容器です。

中止したほうが良いケース
  • 明らかにペアの相性が悪い
  • 回復が難しくなるほど衰弱している。

オスが攻撃的に見えるのは当然ですし、メスが元気がなく見えることもしばしばでペアの相性は判断が難しいです。これも慣れないとわかりにくい表現かもしれませんが「繁殖行動につなげようとしていないような素振り」が見られれば中止したほうが良いと思います。

STEP
産卵→メスの隔離

交尾のはじまり

オスは泡巣とメスの間を行ったり来たりして泡巣の下にメスを誘導します。メスが近づくと交尾に誘うためのダンスを踊ります。こんな感じです↓

https://twitter.com/BettanumaKun/status/1571038563306967041

メスが応じれば泡巣の下で交尾が始まります。メスにオスが巻き付くようにして絡まり、メスは卵を産んだ後失神、オスは卵に精子をかけたあと落下した卵を拾って泡巣にくっつけます(失神から目覚めたメスも協力してやることもあります)。この交尾~卵ひろいを通常2~3回繰り返します。このサイクルが終わるまでは手を加えないようにしましょう。

卵の確認

産みたての卵は真っ白で泡巣に紛れているため慣れるまでは見分けにくいです。

どこに卵があるかわかりますか?

正解は…

たくさんありますが、例えば矢印の先にある白いものがベタの卵です。特に泡巣の厚い部分にあるものは確認しにくいですね。見つけるタイミングによっては全体が透明っぽくなり中に稚魚が見えていたりします。

メスの隔離

産卵が確認できた方はおめでとうございます!卵は基本的に泡巣に見られると思いますが、落ちては泡巣に運ぶをオスがメインで繰り返します。お世話はオスに任せてメスは水槽から取り出しましょう。メスもしっかり卵を運ぶこともありますが食卵(卵を食べる)してしまうことが多いです。

STEP
オスの隔離~ここからは「稚魚飼育編」にて

産卵日から2~3日で孵化しますので、その後の手順も把握しておく必要があります。「稚魚飼育編」にて詳しく説明しますのでぜひご覧ください。

こんなときはどうしたら?

オスが泡巣をつくらない

泡巣をつくらない原因
  • 環境が理想的でない
  • 体調がよくない
  • オスが未成熟
  • メスとの相性が良くない

一般的にはマジックリーフを入れたりヒーターで温度を上げることで泡巣をつくりやすくなるといいます。メスとのお見合いをすることでつくり始めるオスもいます。

それでも泡巣をつくらない場合、他のオスがつくった泡巣を持ってきて繁殖させる方法もあるそうです。

メスが弱ってしまう

これはとても難しい問題です。なぜならメスの衰弱は当然起こりえることでメスにとって危険なラインはありますが、ヒトがそれを完全に見極めることは不可能だからです。

メスが弱ってから繁殖が始まるケースも多く、繁殖を目的にしているのに「弱ったら早めに取り出しましょう」というのもおかしな話ではあります。メスの命と状態維持を第一に考えたい方は繁殖自体をあきらめましょう

ときどき様子を覗いてベタの状態を観察することが大切です。

なかなか繁殖が始まらない

ペアの相性は良さそうでもなかなか繁殖が始まらないこともよくあります。ベタは1週間ほどの絶食に耐えられますのでその間エサの心配は必要ありません。体力的に問題なさそうであれば1週間を目途に続けるかどうか判断しましょう。

まとめ:一般的な繁殖方法を知って応用!

最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。

繁殖方法に正解はありませんので、基礎知識を身につけて応用する意識がとても大事になります。

今回は産卵までの手順を紹介しましたが、その後がとても大事(難しい)です。「稚魚飼育編」もご覧いただき、元気な稚魚を育てられるよう繁殖の基本を身につけましょう。

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この記事を書いた人

1990年生まれ / 男性 / デザイナー@北海道

 『ダブルテール鯉』の美しさに衝撃を受けてベタ沼へ。生物(遺伝学)を専攻していたこともあり、ブログでベタの図鑑をつくってみようと思い当ブログをはじめました。より多くの方にベタの魅力を感じてもらえるよう、ベタ初心者向けの記事~マニアックな記事まで幅広くまとめていきます。

趣味:熱帯魚/ギター/ベース/ピアノ/3Dモデリング/イラスト/テキストマイニング/投資

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