スタイル別『ベタ飼育に必要なモノ』

どの飼育スタイルでも必要なモノ
  • 水槽
  • カルキ抜きした水(汲み置き容器 or カルキ抜き)
  • エサ(ベタ専用を推奨)
  • 基礎知識

はじめにどの飼育スタイルでも絶対に必要になるものをまとめました。

ベタの飼育方法はいくつか種類があり、予算や管理の手間、スペース等でどれを選ぶべきかが変わってきます。本記事を最後まで読んでいただくと「自分のスタイルに合ったモノ」を選べるようになっているはずです!

飼育スタイル別の項目はあなたのスタイルにあったものだけ読んでいただければ大丈夫です。
「水のつくり方」からの項目は共通して必要な知識になりますので、どの飼育スタイルでもぜひご覧ください。

目次

飼育スタイル診断

~自分の飼育スタイルに合った項目をcheck!~

「意識したいポイント」を確認いただき項目を選んでいくとあなたの飼育スタイル向けのリンクが表示されます。

意識したいポイント
  • ベタは混泳できる魚種が限られる
  • レイアウト水槽ではヒレトラブルが比較的おきやすい
  • 強すぎる水流はNG
  • ろ過装置の有無で水換えの頻度が変わる

飼育方法を選んでください↓


【単独ベアタンク型】←おすすめ!

必要なモノ
  • 水槽
  • カルキを抜いた水
  • エサ(ベタ専用を推奨)

こちらの飼育方法ではベアタンクと言って基本的に「水槽」と「水」のみを使用します。最も簡単にはじめられて、実はメリットだらけの飼育方法なんです!「おやすみリーフ」などの小物を入れたものもこのタイプに含めてしまって良いでしょう。

メリット

コストがかからない

買うものは水槽だけでOK!!
はじめてベタを飼う方にとっても、複数飼育したい方にとっても嬉しいメリットではないでしょうか。水槽も小型のものでよいので、おおよそ2千円程度で購入できるはずです。

私のおすすめは水作さんから販売されている『コレクションケース』です。特にLサイズがおすすめ!!こちらの水槽の特に良いところは…

  • ほかの水槽に比べてガラスが薄めで持ちやすい
  • ベタの飼育に適した(十分な)水量が入る(2.5-3.0L)
  • “Lサイズには”プラスチックのふたが付いてくる←これが実は優秀!

ベタの飼育では水槽を持って作業することが多々あります。重たい水槽だと作業にストレスを感じる方も多いはず。コレクションケースはそんな使い手の苦労をくみ取った軽さになっています。

また、水量が多いほど水質は安定するのですが多すぎると持ち運ぶのには重くなってしまいます。2.5 Lの水量でしたら、約5日に1度の水替えできれいな状態を保つことができます。ふたの付属もほこりの混入防止やベタの飛び出し防止に嬉しいものです。

管理がしやすい

装飾を取り出す手間がなく、スポイトでのごみ取りや水換えなどのメンテナンスが簡単でスピーディーです。

トラブルが少ない

わたしはこの飼育方法を選んだことが理由となるトラブルを1度も経験していません。唯一あり得るとしたらなにもないことによって自身のヒレが気になり「尾かじり」をしてしまうリスクが若干高めというところでしょうか。「ヒレ裂け」やケガに付随する感染症のリスクが少ない点も気に入っているポイントです。

トラブルに対処しやすい

ベタが不調になった際は「塩浴」や「薬浴」、他の生体との隔離が必要になります。塩や薬を使った治療はソイル中の微生物も殺してしまいますので一般的にベアタンクの状態で行います。初めからベアタンクの状態ならそのまま治療に移行できます。また、普段から塩水で飼育したい場合にもベアタンクは適しています。

購入時に尾かじりをしていた子や他の不調を抱えていた子もこの飼育方法で治療してきました。わたしの経験上最もおすすめする飼育方法です。

デメリット

見栄え重視ではない

ベタ自体が鑑賞性の高いものですのでさほどデメリットには感じませんが、ときおり物足りなさを感じることもあります。少しは飾りがほしいという方は『おやすみリーフ』がおすすめです。葉っぱのうえでちょこんと寝てる姿はとても愛おしいです。

(ろ過水槽に比べると)水換えが手間?

ろ過ありの“大型水槽”と比べると水換えの頻度は高く、水質も安定しないデメリットがあります。小型のろ過水槽とではそこまで差は感じません。

この飼育方法で水質を悪化させない方法としては適切な水替え頻度を把握することです。おすすめの水換え頻度は以下のとおりです。

  • 1L未満 →2日に1回(※この水量は個人的にはおすすめしません)
  • 1~2L →3日に1回
  • 2L以上 →3~5日に1回

私もこの飼育方法を採用しています!トラブルが非常に少なく塩浴もしやすいため一番おススメの飼育方法です。

【単独レイアウト型(ろ過あり/なし)】

必要なモノ
  • 水槽
  • カルキ抜きした水
  • 鋭くない小物/水草等
  • ろ過ありの場合はろ過装置
  • エサ(ベタ専用を推奨)

こちらの飼育スタイルは単独飼育の比較的小さな水槽でレイアウトをする飼育方法になります。ここで注意していただきたいのが「レイアウトは注意しないとベタの健康を損なう」ということです。きれいなレイアウトを楽しみつつもベタにとって理想の環境をつくることを忘れないようにしましょう。

メリット

見栄えが良い

ベアタンク派からするとレイアウト水槽はうらやましくなることがあります。やはり見栄えが良く、飾る楽しみがあります。ベタがレイアウトを利用している姿を楽しむこともできて、これぞアクアリウムの楽しみ方という感じです。

単独飼育でレイアウトもとなると『コレクションケース L』程度の大きさはほしいところです。

隠れ家でストレス緩和?

アクアリウムでよく目にする「土管」や「タコつぼ」などはベタの隠れ家になります。ベタは暗いところが落ち着くようで土管を入れると気に入ってなかなか出てこないことも…。普段はつかわなくても繁殖のときはメスの逃げ場所にもなるので持っておいて損のないアイテムだと思います。

デメリット

ヒレのトラブル(ケガ)

ベタのヒレはとても繊細です。ほかの熱帯魚と比べて粘膜が薄いため、ケガをした際に感染症にかかるリスクも高めです。ヒレを傷つけそうなレイアウト(硬い・鋭利)やせまい水槽にモノをびっしり詰めることは避けましょう。

※ソイルにご注意

ソイルには水を浄化する菌がいるイメージがありますが、それは①水が循環していて②良い菌が繁殖し、③定着した場合に限ります。底面ろ過装置を設置しない場合、悪玉菌が増える可能性も高いです。

ろ過装置を用いない場合は水替えや床の清掃はより丁寧に行うようにしましょう。

レイアウトグッズ

鋭利でないものや比較的柔らかいものを集めてみました。

ろ過ありの場合

ベタは強い水流が苦手なお魚です。いずれのろ過方式でも水流の弱いものを選ぶ必要があります。ここではコレクションケースL程度の小型水槽を想定したろ過装置をご紹介します。

個人的にはコレクションケースL程度の大きさであれば、汚れ分解の効果はそれほど実感できないように感じます(汚れる頃には水換えするので)。油膜が気になる方は試してみる価値があると思います。

① シンプル・コンパクト派

シンプルなろ過装置として「スポンジフィルター」があります。エアーポンプで空気を送ることで水流をつくり主にスポンジ部分でろ過を行うものになります。使用にはエアーポンプが必要です

比較的優しい水流をつくりやすく油膜対策にもおススメです。

② 底面ろ過派

ソイルを使用したろ過方法になります。小型の底面ろ過装置を設置することで小型水槽内でも底面ろ過が可能です。スポンジフィルターと比較してろ材(ソイル)の面積が大きいため、効果は実感しやすいと思います。

ただし、水流を調整できるものでもスポンジフィルターよりは強めの流れになる印象です。流れの向きを調節したりしてベタの負担にならない程度の緩やかな流れにしましょう。

ソイルは「ブルカミアG」がおススメです。ベタの好む弱アルカリの水をつくることができます。

【混泳ベアタンク型】

必要なモノ
  • 水槽
  • カルキ抜きした水
  • 鋭くない小物/水草等
  • エサ(ベタ専用を推奨)

基本的にベタのオス同士は混泳できません。お互いに攻撃しあってボロボロになるか、最悪の場合、命を落とすこともあります。

メスも攻撃する習性はありますがオスほどではありません。ベタ同士で混泳したい場合は体格が同じくらいの個体を選び、様子を見ながら混泳させるようにしましょう。

繁殖によって同時に生まれたメスベタ同士だとうまくいくことが多いですよ!

メリット

混泳の華やかさ

水槽が華やかでベタ同士のかけあいも見られます。色鮮やかなベタが同じ水槽で混泳している様子はとても美しいです。見た目以外のメリットとしては①一度にエサやりができること、②水質・温度管理がまとめてできること、③数が(かなり)多い場合は個別飼育より省スペースなどがあげられます。

混泳水槽の場合、2~3匹の飼育でも30cm水槽ほどの大きさはほしいところです。ちょっとした飾りを入れても良いアクセントになると思いますよ。

メンテナンスの容易さ

ベアタンクでの飼育の場合、清掃などのメンテナンスの際に装飾品をよける手間がありません。また、塩浴や薬浴などをそのまま行うことができます。感染する病気が混泳水槽で発症した場合はソイルを敷いた水槽より手軽に治療に進めます。

デメリット

ケンカに注意

一番注意したいのはベタ同士のケンカです。体格差に注意することはもちろん、性格や体調も気にかけてあげましょう。弱っている個体や攻撃されている個体を見つけた場合は早めに隔離します。

水質が悪化しやすい

同じ水槽で飼育する魚の数が多くなるほど水は汚れやすくなります。ろ過装置を用いないこちらの飼育方法では清掃をこまめにしないと水質が悪化しやすいので注意が必要です。

【混泳レイアウト型(ろ過あり/なし)】

必要なモノ
  • 水槽
  • カルキ抜きした水
  • 鋭くない小物/水草等
  • ろ過ありの場合はろ過装置
  • エサ(ベタ専用を推奨)

一般的な熱帯魚水槽に近い飼育スタイルです。レイアウトも楽しめてベタの混泳も楽しめるTHE・アクアリウムな飼育方法です。

基本的にベタのオス同士は混泳できません。お互いに攻撃しあってボロボロになるか、最悪の場合、命を落とすこともあります。

メスも攻撃する習性はありますがオスほどではありません。ベタ同士で混泳したい場合は体格が同じくらいの個体を選び、様子を見ながら混泳させるようにしましょう。

メリット

混泳の華やかさ

水槽が華やかでベタ同士のかけあいも見られます。色鮮やかなベタが同じ水槽で混泳している様子はとても美しいです。見た目以外のメリットとしては①一度にエサやりができること、②水質・温度管理がまとめてできること、③数が(かなり)多い場合は個別飼育より省スペースなどがあげられます。

混泳水槽の場合、2~3匹の飼育でも30cm水槽ほどの大きさはほしいところです。ちょっとした飾りを入れても良いアクセントになると思いますよ。

デメリット

初期コストが高め

水槽、ソイル、水草、ろ過装置など、他の飼育方法に比べると用意するものが多くなります。シンプルに始めたい方には少しハードルが高い飼育方法かもしれません。

ろ過ありの場合

水量もあり、ろ過装置も使う飼育方法ですので水質が安定しやすいです。水作エイト等のろ過装置も良いですが、個人的には底面ろ過がおススメです。特にブルカミアはベタの好むアルカリ性の水をつくってくれますし、他のソイルと比較しても浄化性能高いように感じます(個人的な感想です)。

底面ろ過の方はコチラ↓

~みなさんに読んでほしい内容~

水のつくり方

汲み置きでつくる

容器に水道水を注ぎ、日光のあたる場所に置いておくとカルキが分解されて除去することができます。『バケツ一杯のカルキが何時間で抜けるか~』という検証をよく見ますが、要するに水深が同じくらい(約20cm)で日光の条件が一緒ならほかの容器でも同じ結果になると思います。余計なコストがかからず、失敗も少ないと思います。

カルキが抜けるまでの時間は下の表のとおりです。

条件必要時間(ネット情報)必要時間(私の場合)
日光のあたる屋外/屋内6時間2日(12時間+予備の考え)
日光のあたる屋外/屋内で晴れたり曇ったり12時間2日(12時間+予備の考え)
日光の当たらない屋外(曇りを含む)/屋外2~3日3日

私の場合、常に天候を見ていられないので、日の当たらない場合を想定して長めに設定しています。私は汲み置き派です!

容器はNVボックスが使いやすく水深も浅めのものを選べますよ!

カルキ抜き剤をつかう

薬剤(チオ硫酸ナトリウム)を使ってカルキを一瞬で抜いてしまう方法です!
規定量の薬剤を水道水にくわえて混ぜると塩素を中和して除去することができます。

※注意が必要なのは「チオ硫酸ナトリウム」も有害だということ。
真の規定量より少なければカルキが残り、多ければチオ硫酸ナトリウムが残るので使用量は守りましょう。

便利ですし、魚に悪影響が出たという話はあまり聞きませんのでおそらく大丈夫なのでしょう。プロの方も使用されています。

沸騰した水を使う

鍋などで水道水を沸騰させることでカルキを飛ばす方法です。カルキは10分ほどの沸騰でほとんど検知されなくなるそうです。トリハロメタン(ヒトには有害)の魚への影響はわかりませんが、気になる方はさらに30分ほど加熱を続けてください。

※沸騰水は酸素も少ない状態になっていますので、十分にエアレーションしたうえで使用する必要があります。

えさの選び方

えさ選びは非常に重要です。ベタは体型・口のおおきさ・食べる量・好き嫌いがそれぞれの個体で異なります。

イチオシは吉田飼料さんの乳酸菌入りのもの。こちらを与えている我が家のベタはなんだかいろいろ調子が良いです!水を汚しにくい・においも嫌な感じでない(手にのこらない)・ベタ喜ぶ♪
良いところばかりですが粒の大きさが大きめで、砕けにくいので、口の小さな子やかむ力が弱めな子は吐き出してしまうことがあるのが弱点です。
小さめの『ひかりベタ』等のエサも併せて持っておくことをおススメします!

吉田飼料さん、見ていたら小粒タイプつくってください~!

清掃用品・おすすめアイテム

清掃用品

清掃はスポイトさえあればなんとかなります。小型水槽ではこまめに床の掃除をしてあげることで水質悪化を防ぐことができます。

おすすめアイテム

私がベタの移動に使っているのは『水ごとネット』です。商品名の通り水ごとベタをすくい取れることができるのでヒレを傷つけるリスクがとても少ないです。

用意しておくと良い薬

塩(食塩 or 岩塩)

普段の飼育水に利用したり、病気の際の「とりあえずの塩浴」に使うなど間違いなく必要になるものの一つです。調味料などの余計なモノの入っていない塩を選びましょう。

グリーンFゴールド顆粒

尾ぐされ病や水カビ病など幅広い病気の初期症状に有効です。

エルバージュエース

比較的つよめのお薬です。尾ぐされ病や穴あき病などの重傷期に有効です。

SUMA(スーマ)

ハーブ成分配合の不思議なお薬です。ヒレのトラブル時や予防的に使用します。

まとめ:より良い環境を求めるなら…

最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。

本記事をご覧いただいた方はどのような飼育スタイルが向いていて、何が必要なのか改めて確認できたのではないでしょうか。
モノの用意だけでなく基礎知識もしっかり身につけ、ベタ・飼育者にとって理想的な環境をつくれると良いですね!

関連記事『ベタの魅力と基礎知識』では専門用語を含め基礎知識を紹介しているのでそちらも参考にしていただけると嬉しいです。

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この記事を書いた人

1990年生まれ / 男性 / デザイナー@北海道

 『ダブルテール鯉』の美しさに衝撃を受けてベタ沼へ。生物(遺伝学)を専攻していたこともあり、ブログでベタの図鑑をつくってみようと思い当ブログをはじめました。より多くの方にベタの魅力を感じてもらえるよう、ベタ初心者向けの記事~マニアックな記事まで幅広くまとめていきます。

趣味:熱帯魚/ギター/ベース/ピアノ/3Dモデリング/イラスト/テキストマイニング/投資

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